■2025年12月21日 日曜礼拝メッセージより(辻 和希 牧師)

神がくださった、本当の美しさ

 


 皆さん、メリークリスマス。

 クリスマスは、一年の中でも「きれいだな」「素敵だな」と感じることが一番多い季節かもしれません。街にはイルミネーションが灯り、音楽が流れ、お店や家も飾り付けられます。
 子どもたちにとっては、ワクワクする季節ですよね。でも、少しだけ考えてみたいと思います。私たちは、「きれい」「美しい」と感じるとき、何を見てそう思っているのでしょうか?

 たとえば、
・ピカピカのイルミネーション
・整った部屋
・うまくいっている人生
・成功している人
 
 そういうものを見ると、「きれいだな」「すごいな」と感じます。

 でも反対に、
・うまくいっていないとき
・失敗したとき
・弱っているとき
・何も飾れない心の状態

 そういうとき、私たちは自分のことを「美しくない」と感じてしまうことがあります。大人も、子どもも、同じです。
 
 「ちゃんとできたら価値がある」
 「いい姿を見せないといけない」
 
 知らないうちに、そんな基準で生きてしまいます。

 でも、もし本当の美しさが、そういうところにはなかったとしたらどうでしょうか?

 実は、クリスマスの物語は、私たちの「美しさの基準」を大きくひっくり返すところから始まります。

 聖書にはこう書かれています。

「マリアは男の子を産み、布にくるんで飼葉桶に寝かせた。
宿屋には彼らの泊まる場所がなかったからである。」
(ルカ2:7 要約)

 神の子イエス・キリストが生まれた場所は、王宮でも、きれいな家でもありませんでした。家畜小屋。赤ちゃんのベッドは、飼葉桶。においもするし、寒くて、決して「映える」場所ではありません。

 もし私たちが「神様が来るなら、きっと一番きれいな場所だろう」と思うとしたら、それとは正反対の場所を、神様は選ばれたのです。

 なぜでしょうか?それは、神様が「外側の美しさ」ではなく、
 「人を愛する心」を美しいとされたからです。
 
 イエス様は、きれいな人のところにだけ来たのではありません。失敗した人、弱っている人、孤独な人、誰にも相手にされない人、そういう人たちの真ん中に、神様ご自身が来てくださいました。これが、クリスマスです。
 
 「あなたは、そのままで大切だ」
 「私はあなたと一緒に生きたい」

 これが神様からのメッセージでした。
 神様は、「うまくできたから」「いい子だから」「強いから」愛しているのではありません。ただ、あなたがあなたであるから、神様は来てくださった。それが、クリスマスです。
 
 ここで、今年の私たちの教会のテーマ「ビューティフルコミュニティー」にもつながってきます。美しいコミュニティーとは、完璧な人ばかりが集まる場所ではありません。

 むしろ、弱さがある人、失敗した人、子どもも大人も、初めての人もそのまま受け入れ合える場所です。

 イエス様が飼葉桶から人生を始められたように、私たちも「誰かを下に見る」のではなく、「一緒に生きる」ことを選ぶ。そこに、神様が喜ばれる美しさがあります。

 クリスマスは、「いい人だけのための日」ではありません。すべての人に向けて、神様が近づいてきてくださった日です。

 今日ここに来られた皆さん一人ひとりに、神様は語っておられます。
 「あなたは、愛されている」
 「あなたの人生には、希望がある」
 「私は、あなたと共にいる」

 どうかこのクリスマス、外側のきれいさだけで終わらせず、神様がくださった本当の美しさを心に受け取ってください。

 そして私たちの教会が、この町にとってビューティフルコミュニティー、愛と希望のある場所となっていけますように。
メリークリスマス。